タガメ

(田鼈、水爬虫)


(学名:Lethocerus deyrollei  英名:Giant water bug)



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タガメ(脱皮直後)田鼈、水爬虫
脱皮直後のタガメ

カメムシ目
コオイムシ科
体長
50~65mm(メスの方が大型になる)
尾長

体高

体重

分布
北海道を除く日本全土に分布しますが局所的。国外では台湾、朝鮮半島、中国に分布
食べ物
肉食性で、魚やカエル、他の水生昆虫などを捕食します。
主な特徴
日本最大の水生昆虫で、日本最大のカメムシ(半翅目)です。
水田や水草が豊富な止水域に生息しますが、農薬の普及や護岸などの環境破壊によって近年その数を
急激に減らし、絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に分類されています。
都府県によっては絶滅危惧I類、もしくは既に絶滅種に指定している自治体もあります。
きれいな水質と餌が豊富な環境でないと生息が難しいため、水辺の自然度を測る時の指標になる種と
言えます。

獲物は鎌状の前脚で捕獲し、針状の口吻を突き刺して消化液を送り込み、消化液で溶けた液状の肉を
吸います(「獲物の血を吸う」と表記した図鑑や文献もありますが、体外消化によって肉を食べているので
あり、血を吸っているわけではありません。タガメに食べられた生物は、骨と皮膚のみが残ります)。
自分より大きな獲物を捕らえることが多く、稀にヘビも襲います。その獰猛さから「水中のギャング」とも
呼ばれ、かつて個体数が多かった頃には、養魚池のキンギョやメダカ等を食い荒らす害虫指定も
されていました。
中国では漢方薬の原料として用いられる他、国内では佃煮にしていた地方もありました。

冬になると陸に上がり、草の陰や石の下など水没しない場所を選んで越冬します。
春に越冬から目覚めた成虫は5~6月頃に性成熟し、繁殖活動を開始します。この頃には、オスが腹で
水面を一定リズムで叩く求愛行動が見られ、これによって起こる波によってメスを呼び寄せます。
交尾、産卵は日没後に行われ、水面上にある杭や植物の茎などに60~100個程度の卵を産み付けます。
この卵塊はオスによって給水、保護されて約10日で孵化します。
幼虫は5回の脱皮を繰り返し、40~50日で成虫となります。

野生化での寿命は普通1年と考えられていますが、飼育下では3年目の繁殖を行った例もあります。
メスは1シーズンで4回ほどの産卵を行います。
この動物が見られる
主な動物園・水族館
(関東)
多摩動物公園



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